パーソナルトレーナー開業で最初にやるべき3つのこと

パーソナルトレーナーの小林素明です。
独立したい。でも、何から始めればいいのかわからない。
こういった相談は少なくありません。
先日も、セミナーの帰りに理学療法士の方から相談を受けました。すでにトレーニング指導は行っている方です。知識レベルも高く、指導内容もしっかりしています。
話を聞いていて思ったのは、
「このままでも指導はできる」という状態でした。
ただ、独立となると話は変わります。
実際にご本人も、こう言われていました。「集客や運営のことがわからなくて不安です」これは多くの方が感じていることです。
専門知識は持ち合わせおり指導もできる。それでも集客ができなければ、続きません。
独立では、指導力に加えて「別の知識」と「行動」が必要になります。
そこで僕が、独立開業1年未満の方にお伝えしている内容を、3つにまとめます。
1 マーケティングの基本を知る

まずは基本です。
パーソナルトレーニングもビジネスです。良いサービスでも、伝わらなければ選ばれません。
伝えるために必要なことは、お客様のニーズを理解し、自然に売れるしくみづくりです。このことをマーケティング活動といいます。
例えばマーケティングで「4P」という考え方があります。
- Product(どんなサービスか)
- Price(いくらで提供するか)
- Place(どこで提供するか)
- Promotion(どう伝えるか)
例えば、
「誰に向けたトレーニングなのか」
「どのくらいの価格帯なのか」
「通いやすい場所かどうか」
「どうやって知ってもらうのか」
この4つを整理するだけで、やるべきことの方向性がはっきりします。
お客様は理由があって選びます。
その理由を、自分で作ることが大切です。
2 現場力をつける

次に求められるのが、トレーニング指導の現場での対応力です。
理論や解剖学の知識は土台として重要ですが、それだけで現場がうまく回るとは限りません。実際の指導では、その場の状況や相手によって判断が求められます。
例えば、同じスクワットでも
「きつい」と感じる方と
「まだできる」と感じる方がいます。
同じ説明でも一度で理解できる方もいれば
言い回しや伝え方を変えながら、少しずつ理解が進む方もいます。
- ヒアリングの仕方
- 言葉の選び方
- その場で内容を調整する力
これらは、知識だけで身につくものではありません。現場での経験を重ね、試行錯誤を繰り返す中で、徐々に精度が高まっていきます。
個人差を前提にした現場対応力

わかりやすい事例を挙げます。
メジャーリーガーの菊池雄星選手は、著書の中で肩を守るためのインナーマッスル強化について触れています。
そのインナーマッスル強化が、すべての選手に有効とは限らないと語られています。仮に万能であれば、プロ野球選手に肩の故障は起こらないはずです。
確かに菊池選手が言う通り、定説となっているトレーニングであっても、すべての人に当てはまるわけではありません。一定の効果が見込める方法でも、合う人と合わない人が存在します。
つまり、個人差。
この前提を踏まえて、現場での指導を行う必要があります。
3 できるだけ早くお客様を増やす

ここが重要です。
空いているジムには、人は入りにくいです。お客様は無意識に「このジムは大丈夫か」を見ています。
- 予約が入っている。
- 人が出入りしている雰囲気
それだけで安心感につながります。
最初にやるべきことはシンプルです。
「できるだけ早くお客様を増やすこと」
目安としては、まずは5〜10名です。この人数がいるだけで、ジムの雰囲気は大きく変わります。
では、どうやって増やすか。
すぐにできることから始めます。
- 知人に協力してもらう
- 無料体験を実施する
- モニター募集を行う
- 近隣店舗に声をかける
- ポスティング広告
例えば、近隣のお店に声をかける場合も、「紹介してください」ではなく、相手にとってのメリットを用意します。
小さな動きの積み重ねが、最初の顧客につながります。最初は形にこだわる必要はありません。とにかく動くことです。
開業時は「集客」を最優先にする
独立すると、やることは一気に増えます。
お金の管理、手続き、準備。どれも大切です。
ただ、優先順位があります。
最優先は、集客です。
ここが止まると、すべてが止まります。
僕自身も、最初は試行錯誤の連続でした。うまくいかないこともありました。
それでも、動き続けることで少しずつ形になっていきます。
まとめ

独立を軌道に乗せるために必要なのは、次の4つです。
- 知識だけに頼らないこと
- マーケティングの基本を知ること
- 現場で経験を積むこと
- 早い段階でお客様を増やすこと
この4つが、開業後も動き続けるための土台になります。
中でも重要なのが、マーケティングの基本です。自分をどう伝えるのか。何から始めるのか。その方向性がここで決まります。
考え方の入り口として参考になるのが、「ドリルを売るには穴を売れ」佐藤義典著 です。必要としているものは何か。
そこに目を向けるきっかけになります。
参考文献
こうやって、僕は戦い続けてきた。 「理想の自分」に近づくための77の習慣 菊池雄星著 PHP研究所(2026年)
この記事を書いた人


小林素明 (パーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。
