なぜ、そのお客さんはあなたのジムを選んだのか?|パーソナルジム経営で見落としやすい“価値”の話

パーソナルトレーナーの小林素明です。
パーソナルジムを運営していると、
「もっと集客したい」
「ホームページを改善したい」
「SNSを頑張っているのに反応が少ない」
そんな悩みが出てくることがあります。ですが、実際には発信量より前に考えたいことがあります。
それは、「お客さんは、何に価値を感じているのか?」ということです。
これは、トレーナー側が考える価値と、お客さん側が感じている価値が違うことが少なくないからです。
顧客から見たジムの価値

先日、メジャーリーガーの 菊池雄星 さんの著書「こうやって、ぼくは戦い続けてきた。」 を読みました。
トップレベルの世界で、どうやって長く戦い続けてきたのか。その過程が、とても具体的に書かれていました。
特に印象に残ったのが、体調管理への意識です。
睡眠の質を高めるために、「クライセラピー」を取り入れておられるそうです。超低温環境を活用した疲労回復方法ですね。
そこで興味深かったのは、その設備を使うためにジムへ入会しているという点でした。
普通なら、「ジム=トレーニングする場所」と考えます。ですが、菊池さんにとっての価値は、そこではありませんでした。
つまり、人は同じサービスでも、違う部分に価値を感じています。
チョコザップに通う人の目的とは?

これは最近の chocoZAP の広がりを見ても感じます。
- セルフエステ
- ネイル
- ゴルフ練習
- カラオケ
もちろん、筋トレ目的の人もおられます。
ですが、
「仕事帰りに寄りやすい」
「気軽に使える」
「運動のハードルが低い」
そんな部分に価値を感じている人も多いはずです。
以前、こちらの記事でも触れました。
パーソナルジムにおけるサービスの価値とは?

では、パーソナルジムの場合はどうでしょうか。もちろん、中心になるのはトレーニング指導です。
ですが、お客さんが見ているポイントは、本当に人それぞれです。
先日、僕のジムへ入会された60代のお客さんは、膝の手術後のリハビリ後トレーニングが目的で
「以前のように歩けるようになりたい」 それが目標でした。
そこで僕は、こんな質問をしました。
「この辺りにもジムはいろいろありますが、なぜウチを選んでくださったのですか?」
すると、こんな答えが返ってきました。
「自宅から通いやすかったこと。
それと、膝のことを理解して指導してもらえそうだったので。」
つまり、そのお客さんにとっての価値は、
- 通いやすさ
- 膝への理解
- 指導経験への安心感
この3つだったのです。
ここで大切なのは、
“自分が売りたいこと”と、“お客さんが安心するポイント”は違う場合がある。
ということです。
顧客の悩みに寄り添える

ジム経営では、つい、「最新マシン」「資格」「指導力の高さ」「おしゃれな内装」などを前面に出したくなります。
もちろん、それも大切です。
ですが、お客さんは、「この人は自分を理解してくれそうか」を見ていることが本当に多いです。
特に40代以降のお客さんは、
- 肩、膝、腰の痛み
- 体力低下
- 手術後
- 運動への不安
何かしら悩みを抱えて来られます。
そのとき、
「このトレーナーなら相談しやすそう」
そう感じてもらえることが、来店理由になることがあります。
だからこそ、お客さんの声は大切です。しかも、“聞いて終わり”ではもったいないと思います。
自分のジムの価値を伝えるためには?

例えば
- 「通いやすい」が価値なら、ホームページには、駅からの道順を丁寧に載せる。駐車場の写真も入れる。
- 「膝への理解」が価値なら、膝の指導事例を書く。ブログで発信する。
- 「経験」が安心感につながっているなら、プロフィールや実績を、見つけやすい位置へ置く。
すると、ホームページで何を伝えるべきか。SNSで何を発信するべきか。
それが少しずつ整理されてきます。
逆に、ここが整理されないまま発信を続けると、毎回、言いたいことが変わってしまいます。
これは集客でもよくあることです。
発信内容が散らばると、お客さんに特徴が伝わりにくくなります。
ですが、
「自分のお客さんは、何に安心しているのか」
ここが見えてくると、発信する言葉や動画、写真、ブログの内容も変わってきます。
まとめ パーソナルジムの選ばれ方

実際、パーソナルジム選びでは、「有名だから」だけで決まるわけではありません。
特に地域密着型のジムでは、「この人なら安心できそう」 この積み重ねが、とても大きいと感じています。
僕自身、30年以上この仕事を続けていますが、最近ますます感じるのは、トレーニング指導だけではなく、「相手の不安を理解できるか」 ここが求められているということです。
だからこそ、お客さんが、自分たちの何に価値を感じているのか。一度、じっくり聞いてみる。そこから、ホームページや発信を見直してみる。
すると、ジムの見え方は変わってくるかもしれません。
この記事を書いた人


小林素明 (パーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。
