月1,980円の24時間ジム「キュッパ」とは?チョコザップを超える新戦略

パーソナルトレーナーの小林素明です。月額1,980円(税別)という破格の価格設定の24時間ジム「キュッパ(QPPA)」が登場しました。チョコザップ(月額2,980円)を下回る価格で、本格的なマシンを揃えているということで、今フィットネス業界でも静かに話題になりつつあります。
「安かろう悪かろう」ではなく、“手頃な価格で十分な設備”という逆張り戦略が光るキュッパの実力とは? 実際の設備や利用条件を、現場目線で詳しく見ていきましょう。
「キュッパ」はどんなジム?

キュッパは、スポーツクラブ「コ・ス・パ」などを運営する株式会社COSPAウエルネスが展開する新しい24時間ジムブランドです。2025年4月に兵庫県・神戸市にある「キュッパ灘駅北口店」がオープン。今後のエリア展開にも期待が高まります。
キュッパ灘駅北口店 公式ページ
https://www.cospa-wellness.co.jp/qppa/nada/
さらに、Googleマップでは実際のジム内部の写真も掲載されており、マシンの種類や配置も事前に確認できます。
月8回までの利用制限あり。でもこれが絶妙
この料金で24時間使い放題……というわけではありません。キュッパでは月8回までの利用制限があります。しかし、これは裏を返せば“週に1〜2回通う層”にはちょうどいい設定とも言えます。
実際、月8回を超えて利用する方は全体の中でも限られており、「無理なく習慣化したい」「まずは少しずつ始めたい」と考える方にはピッタリです。
気になる設備は?高品質なマシンが魅力

24時間ジムにとって、マシンの質は重要です。なぜならば、基本無人ですからメンテナンスが行き届かないため、使えないマシンが出る、顧客の退会につながるからです。
キュッパでは、トレーニングマシンは信頼のマトリックス社製。業務用として十分な実績があり、日本全国のスポーツジムでも導入されています。さらに、フリーウェイトも充実。
- パワーラック
- スミスマシン
- ダンベル
- ケーブルマシン
など、一通りの筋トレマシンが揃っており、全身のトレーニングに対応できます。
また、鍵付きのロッカーが完備されていたり、マシンの台数は最小限ながら、メンテナンスに問題がなさそうな点もポイントです。
「なんとなくマシンを知ってる」で終わらない!日本最大級の展示会「SPORTEC」

プロトレーナー、ジム運営者なら一度は足を運びたいのが「SPORTEC」。日本最大級のフィットネス・スポーツ展示会です。
最新マシンやツール、サービスが勢ぞろい。国内外の有名メーカーが集まり、今のトレンドをまとめて体感できます。出展されている多くのマシンやツールは、実際にその場で体験でき、「これは使いやすいな」「うちの会員さんに合いそうだな」と、リアルな感触で判断できるのが大きな魅力です。
たとえば、筋力トレーニングマシンでは、軌道を実際に確認しながら、狙った筋肉にしっかり効いているかをチェックできます。これはインターネットやカタログだけでは絶対に分からない部分。しかも、各ブースにはメーカー担当者がいるので、その場で質問すれば、開発の背景や細かな仕様まで詳しく教えてくれます。
「なんとなくマシンを知ってる」で終わらせず、プロとして現場の“今”を知る機会に。
主要24時間ジムと「キュッパ」を比較 料金・エリア・設備の違いとは?
ここで「キュッパ」と主要な24時間ジムとの比較をしてみましょう。
ジム名 (ブランド名) | 月額料金(税込) | 店舗地域 | 主なアイテム・設備 |
エニタイムフィットネス | 約7,000〜11,000円 | 全国 | マシンジム、フリーウェイト、ストレッチエリア、シャワー、セキュリティ完備、グローバル会員制度 |
ジョイフィット24 | 約6,000〜8,000円 | 全国 | マシンジム、フリーウェイト、有酸素、女性専用エリア(店舗により)、シャワー・更衣室 |
FASTGYM24(ファストジム) | 約7,000〜8,250円 | 関東中心(東京・神奈川・埼玉など) | マシンジム、フリーウェイト、ストレッチエリア、タッチ式入館、シャワー完備 |
chocoZAP(チョコザップ) | 3,278円(定額) | 全国 | マシンジム、服装自由、シューズ履き替え不要、セルフエステ・脱毛など美容サービス |
キュッパ | 2,178円 | 関西のみ | マシンジム、フリーウェイト、シャワー室、鍵付きロッカー |
こうして比較してみると、「キュッパ」の料金がいかに低価格であるかがよくわかります。では、同じくリーズナブルな価格帯で人気を集めている大手「チョコザップ」とは、どこがどう違うのでしょうか? 次に、その違いを詳しく見ていきましょう。
チョコザップと何が違うのか?

チョコザップは、カラオケ、エステ・脱毛など美容系サービスも融合させたジムですが、キュッパは、あくまでも「トレーニング重視」のスタンス。また、チョコザップは簡易マシンが中心ですが、キュッパは本格マシンでの筋トレが可能。運動初心者だけでなく、ある程度トレーニング経験のある方でも満足できる設備です。
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トレーナー視点から見る「キュッパ」の可能性
フィットネス現場で30年指導を続けているトレーナーとしての視点からも、この価格と設備の組み合わせには大きな可能性を感じます。
現在、日本のフィットネス参加率は約3〜4%といわれており、「運動したほうがいい」と思っていても、一歩が踏み出せない人は多いです。
そんな方にとって、キュッパのような存在は顧客にとって
- 入会のハードルが低く
- 「ちょっと通ってみようかな」と思える
- 初期投資も抑えられる
という、「第一歩を後押しするジム」としての価値が大いにあると考えています。
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トレーナーの活用法:紹介・習慣化の橋渡しにも
実際に、ボクのお客さんにも「普段のセッションで行ったトレーニングを、キュッパのようなジムで自主練する」という活用をおすすめすることもあります。
料金が安いからこそ、“自宅+αの運動空間”として定着しやすく、習慣づけのきっかけづくりに最適です。また、指導外での運動記録を共有すれば、トレーナーとしてのサポート範囲も広がります。
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まとめ|キュッパは競合か、チャンスか

「トレーナー業に影響するのでは?」という声もあるかもしれませんが、個人的にはキュッパのようなジムの登場はむしろ歓迎です。
というのも、“ジムに通う人”そのものを増やす土台づくりになるからです。その土台が広がれば、パーソナルトレーニングの需要も自然と高まっていきます。キュッパはまだスタートしたばかり。
これからの展開に注目しながら、私たちトレーナー側もその活用法を考えていく時期に入っているのかもしれません。
この記事を書いた人


小林素明 (パーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。