足首テーピングの正しい巻き方!足首の捻挫(ねんざ)予防テーピング講座 /足関節の内反捻挫予防
全米アスレチックトレーナーズ協会 NATA公認アスレチックトレーナーATCの川西弘晃です。トレーナーの現場ではスポーツ選手のみならず、レクレーションスポーツや健康指導現場においても、テーピングのスキルを身につけておくと俄然有利となります。
特に足首の捻挫(足関節の内反捻挫)は、よく起こる怪我として注意を払う必要があります。今回は、スポーツテーピングの基礎講座として、足関節の内反捻挫予防のためのテーピング法を紹介します。テーピングを巻いたことがない方、長期間テーピングを巻いていないので復習がしたい方にお勧めの講座となります。
初めての方でもわかりやすくするために写真点数を多くし、テープの方向も分かるようにしています。ぜひ挑戦してみてくださいね。
大学ラクビー選手が「ゴットハンド過ぎる!」と唸ったアスレティックトレーナーによるスポーツテーピング【足首】
大学ラクビー選手への足首テーピングのデモンストレーションを収録しています。素早さ、正確さ、美しいテーピングをご覧くださいませ。
足関節の内反捻挫とは?
足関節の内反捻挫とは、段差やスポーツ中に足首を内側へ捻ってしまい、足関節の外側の靭帯を損傷することを言います。主に前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)の損傷。損傷の程度によって、1度(靭帯が伸びる)、2度(靭帯の一部断裂)、3度(靭帯の完全断裂)に分かれます。
足関節の内反捻挫予防テーピングマニュアルについて
足関節の内反捻挫予防テーピングのフロー
- アンダーラップテープ
- アンカーテープ
- スターアップ ★
- ホースシュー
- ヒールロック
- フィギアエイト
- ラストアンカーテープ
スポーツテーピング【準備編】 ホワイトテープの巻き方、切り方の基本マニュアル
まずはホワイトテープの使い方を学びます。どのように巻けば良いのか?テープの巻く方向に注目しましょう! また、スポーツテーピングではテープカットが頻繁に出てきます。上手にテープを切る方法もしっかりと学んでくださいね。
ホワイトテープの巻き方 手順1
足の形に合わせて、下のテープを重ねるようにしてホワイトテープを巻いていきます。テープの方向:やや斜め下方向へテープを伸ばします。
ホワイトテープの巻き方 切り方
ホワイトテープを摘むようにしてカットし、手(写真の場合、左手)でテープを押さえます。次はいよいよ足関節の内反捻挫の工程へと入ります。
アンダーラップテープ → アンカーテープ → スターアップ → ヒールロック → ホースシュー → フィギアエイト → ラストアンカー となります。特にスターアップは重要ですので、何度も練習してくださいね。
アンカーテープ スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【2】
アンカーテープ 1・2本目の巻き方
外くるぶし(外果)より指3本分空けて、テープを巻きます。
固定力を高めるために、テープ半分は皮膚に巻いていきます。
中心線(画像上の黒線)を超えて、やや斜め下方向にテープを巻いていきます。
2本目のアンカーテープを1枚目に重ねるようにして巻いていきます。
アンカーテープ 3本目の巻き方
3本目のアンカーテープは指で押さえたあたりから巻き始めます
ペンで指している斜め下方向へテープを巻いていきます。
これでアンカーテープが終了。
中足骨の茎状突起/3本目のアンカーテープ 注意点
3本目のアンカーテープは、中足骨の茎状突起(けいじょうとっき)にかからないように巻きます。理由として、茎状突起にテープがかかると中足骨が圧迫されることで動きの制限や痛みが起こり、パフォーマンス低下につながるからです。
次は足関節捻挫の重要な工程となるスターアップです。
スターアップ スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【3】
次はスターアップという足関節捻挫予防のテーピングで大変重要な工程です。テープの巻き方だけでなく、力加減も重要になります。しっかりとマスターしましょう!
足関節 スターアップ 1本目【内側】のやり方
スターアップでは足のグラつきを安定させる最重要のテーピングとなります。
スターアップの1本目は、アンカーテープ側面の中央から真っ直ぐに踵へ下ろします。
よくある間違い スターアップ
スターアップは土踏まずにかけると効果を失います。踵の方向へテープを巻いていきます。
足関節 スターアップ 1本目【外側】
スターアップで踵を通過した後は、外側でテープをカットします。真っ直ぐの方向へテープを伸ばし、思い切り引上げて(足関節が固定される)テープを貼ります。
足関節 スターアップ 2本目【内側】の巻き方
スターアップの2本目は、1本目のテープに対して半分ほど後方へずらして貼ります。踵で交差して、反対側へテープを伸ばします。
足関節 スターアップ 2本目【外側】
踵から外側にテープを回し、1本目よりもやや前方へずらし、思い切り引上げて(足関節が固定される)テープを貼ります。
足関節 スターアップ 3本目【内側】の巻き方
スターアップ3本目は、1本目のテープに対して半分ほど前方へずらして貼ります。踵で交差して、反対側へテープを伸ばします。
足関節 スターアップ 3本目【外側】
踵から外側にテープを回し、1本目よりもやや後方へずらし、思い切り引上げて(足関節が固定される)テープを貼ります
足関節 スターアップ後のアンカーテープ
3本のスターアップがまき終わった後は、テープが剥がれないようにアンカーテープを貼ります。これでスターアップが終了。次はホースシューです。
ホースシュー スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【4】
足関節 フォースシュー 1本目の巻き方【外側】
フォースシューは小指の延長上にあるアンカーテープから開始します。アキレス腱と踵の中間にテープを通し、内側へと移動します。
足関節 フォースシュー 1本目の巻き方【内側】
最後はアンカーテープで終了します。この時、テープを強く引っ張らないようにします。
足関節 フォースシュー 2本目の巻き方【外側→内側】
足の内側から開始。1本目のホースシューよりテープ半分上方へずらし、テープを貼ります。
アキレス腱の方向へテープを移動させて、内側へと向かいます。
内側のアンカーテープに貼り付けます。
足関節 フォースシュー 3本目の巻き方【外側→内側】
足の内側から開始。2本目のホースシューよりテープ半分上方へずらし、テープを貼ります。
アキレス腱の方向へテープを回し、内側へ向かいます。
アンカーテープで3本目が終了。
足関節 フォースシュー 4本目の巻き方
3本目のホースシューよりテープ半分上方へずらし、テープを貼ります。
外側のアンカーテープに貼り付け、フォースシューが終了。次はヒールロックです。
ヒールロック スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【5】
足関節 ヒールロック 1本目の巻き方【外側→内側】
外側、アンカーテープ(1本目)の中央からスタートします。
アキレス腱のカーブになっている中央部分にテープを通します。内側へ向かいます。
テープを内側に通し、内側の踵の側面を通り、外側に戻ります。
外側に戻ってきたテープと、開始のテープとが並行になるようにします。
足の中心でテープをカットし、貼り付けます。1本目終了。
足関節 ヒールロック 2本目の巻き方【内側→外側】
1本目とは逆方向にヒールロックを行います。内側から外側へ向かいます。
アキレス腱のカーブになっている中央部分にテープを通し、外側へ向かいます。→ 踵の側面を通り、内側に戻ります。
足の中心でテープをカットし、貼り付けます。ヒールロック終了。次はフィギアエイトです。
フィギアエイト スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【6】
フィギアエイトでは足関節の底屈を制限します。
足関節 フィギアエイトの巻き方【内側→外側】
フィギアエイトのテープの開始位置の目安は、アーチの中心となります。
足のラインに対して垂直にフィギアエイトのテープを通します。
足の裏にテープを通し、外側へ向かいます。
内くるぶし(内果)の上半分にテープを通します。
外側にテープを回し、1周して戻ってきます。
足の中央でテープをカットします。
フィギアエイトの終了です。
ラストアンカーテープ スポーツテーピングマニュアル/足関節の内反捻挫予防【7】
アンカーテープ【外側】 足部
最後の工程ではラストアンカーとなり、足部と下腿部にテープを巻きます。方法ははじめに行ったアンカーテープと同じになります。
アンカーテープ【外側】 下腿部1本目
下腿部に2枚アンカーテープを巻き付けます。
アンカーテープ【外側】 下腿部2枚目
1枚目と同様に2枚目のラストアンカーテープを巻きます。最後はテープを固めて終了となります。必要に応じて動きのチェックを行ってください。
スポーツテーピング講座 足関節の内反捻挫予防 まとめ
いかがでしたでしょうか? この足関節の内反捻挫予防のテーピングは、テーピングの基礎をマスターすることがでいます。また怪我の好発部位でもあり、マスターすると活躍する場面が多くなります。テーピングは巻いていない期間が長くなると、思い出すのに時間がかかります。マスターした後も、定期的にテーピングを行うことをお勧めします。
また、私が講師としてマンツーマンでスポーツテーピング講座も行っております。足関節だけでなく、膝、肩などリクエストにも応じます。よろしければご覧くださいませ!