自重トレーニング指導者が知っておくべき知識「なぜサイドプランクの姿勢が保持できないのか?」筋力、姿勢から考える体幹トレーニング指導法
パーソナルトレーナーの小林素明です。僕が主宰している自重トレーニング指導者養成講座で、「なぜサイドプランク(サイドブリッジ)で姿勢が保持できないのか?」が話題になりました。サイドプランクは腹斜筋が主動筋になりますので、腹斜筋の筋力不足と考えるのが一般的です。
パーソナルトレーナーとしては、その視点だけでなく複数の原因を考える必要があります。なぜならば、鍛えるべき筋肉(ターゲット)を間違えてしまう可能性があるからです。
サイドプランクの姿勢保持に使われる筋肉
サイドプランクの姿勢を保持するためには、腹斜筋の主動筋と
・腹圧(主に腹横筋)
・股関節の外転筋(主に中臀筋)
・骨盤の固定(腰方形筋)
と、関わっている筋肉を想像する必要があります。これだけではまだ不十分で姿勢パターンも考慮に入れる必要があります。
姿勢パターンも考慮に入れること
姿勢パターンで言いますと、骨盤前傾ー腰椎前弯による腰背部の過緊張、腹圧低下(腹筋力)も考慮に入れる必要があります。その上で、代償動作を見ていくことが重要になります。
骨盤前傾ー腰椎前弯で起こりやすい緊張筋、弱化筋
緊張筋
・脊柱起立筋
・多裂筋
・腸腰筋(大腰筋)
・大腿直筋
弱化筋
・腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)
・大臀筋
よくある間違ったサイドプランク
サイドプランクの姿勢が保持できずに体が下がる(または回旋する)ことは、先ほどの腹筋群をはじめとする筋力不足が考えられます。
このパターンの場合は、必要な筋力不足、肘のポジションが異なっていることです。僧帽筋に力が入り代償動作として現れています。
体幹トレーニング指導で考えるべきポイント
メディアで取り上げられるプランクトレーニング(体幹トレーニング)は、トレーニングで鍛えるというよりも、筋力のチェック機能としての役割があります。手足を動かさず、じっとしている体幹トレーニング(アイソメトリック)の効果は限定的。
サイドプランクで姿勢が保持できない、代償動作が出るということは、サイドステップが苦手、膝の障害が頻繁に起こる、腰痛という症状が現れると推測されます。
どの筋力が不足してパフォーマンスが低下しているのか?を発見することによって、パフォーマンスアップのためのトレーニングの近道になります。